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SBK開幕戦のレース2でスコット・レディングが優勝、ウェット・コンディションでスリック・タイヤを選択するという勇気ある決断が的中

2021 スーパーバイク世界選手権(SBK)開幕戦となるアラゴン・ラウンドのスーパーポール・レースとレース2が、5月23日にスペインのモーターランド・アラゴンで開催された。予測不可能な天候の中で行われたレース2は、レースファンの記憶に残る展開となった。

Aruba.it Racing – Ducatiチームの感動的な1日は、スーパーポール・レースでの失望から始まり、スコット・レディングの劇的な勝利で幕を閉じた。

マイケル・リナルディは、持てる力を100%発揮したが、究極の選択を結果に結びつけることができなかった。
 

  • スーパーポール・レース

レディングもリナルディもレイン・タイヤでレースをスタートしたが、降雨量が午前中ほど多くなかったため、両ライダーともに苦戦を強いられることとなった。

レディングは、最初の2周でトップ争いに加わったが、インターミディエイト・タイヤを選択した他のライバルのペースについていくことができなかった。レディングは最後まで戦い抜き、8位でフィニッシュして貴重な2ポイントを獲得した。

9番グリッドからスタートしたリナルディも、レディングと同じ状況に陥り、12位でフィニッシュした。

 

  • レース2

レース2は、サーキットのコンディションを予測するのが非常に難しい天候となった。雨は止んだものの、路面はまだ濡れており、再び豪雨となる可能性が高かった。

レディングはインターミディエイト・タイヤを履いてスターティング・グリッドについたが、スタート直前の最後の瞬間に、フロントおよびリアにスリック・タイヤを装着するという勇気ある決断を下した(この決断を下したライダーはレディングのみ)。しかし、この賭けが見事に的中した。レディングは、最初の6周でポジションを7つ上げると、7周目にはトップに浮上し、このレースで2位となったジョナサン・レイ(カワサキ)に約10秒の大差をつけて優勝した。

リナルディは、サイティングラップの終わりにピットに戻ってスリック・タイヤを装着。レディングと同じ賭けに出た。しかし、前をゆくグループ(インターミディエイト・タイヤを装着)とのギャップが開き過ぎていたため、その差を詰めることができなかった。最終的に、リナルディは16位でフィニッシュした。
 

  • ライダーズ・ランキング(第1戦終了時点)

P1 - ジョナサン・レイ(Kawasaki) 57
P2 - アレックス・ロウズ(Kawasaki) 45
P3 - スコット・レディング(Aruba.it Racing - Ducati) 40
P4 - トプラック・ラズガットリオグル(Yamaha) 30
P5 - トム・サイクス (BMW) 23
P10 - マイケル・リナルディ(Aruba.it Racing - Ducati) 9
 
SBK第2戦のポルトガル・ラウンドは、1週間後の5月21日~23日にエストリル・サーキットで開催される。
 
スコット・レディング(Aruba.it Racing - Ducatiチーム #45) 1位
「今日のレースでは、大きなリスクを冒した。しかし、過去のレースでは、このような状況でインターミディエイト・タイヤを履いて2回とも失敗していた。両方とも、あと少しで素晴らしい結果を達成することが出来たレースだった。そのため、今日は迷わずスリック・タイヤを選択した。最初の数周はミスをしないように心掛けたが、トップに立つのは難しいことではなかった。確かに、インターミディエイト・タイヤを履いて、他のライバルと戦って勝つという選択肢もあったが、今週末に起こったことを考えると、これは重要な成功だと思う」

マイケル・リナルディ(Aruba.it Racing - Ducatiチーム #21) 16位
「今日のようなレースでは、状況を分析して、正しい選択をしなければならない。今日は誤った判断を下してしまい、これまでのキャリアの中でも最悪のレースの1つとなってしまった。昨年のアラゴンでは、3つのレースすべてで表彰台に登壇したが、今年はわずか9ポイントしか獲得できなかった。とにかく今は、マシンのフィーリングを取り戻さなければならない。気持ちを切り替えて、モチベーションを落とすことなく、チームと一緒になって次のレースに臨みたい」