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スーパーバイク世界選手権(SBK)でドゥカティが通算1,000回の表彰台を達成

  • 2022年スーパーバイク世界選手権(SBK)第6戦のチェコ・ラウンドのレース1で、パニガーレV4 Rを駆るアルバロ・バウティスタが優勝したことにより、ドゥカティはSBK通算1,000回の表彰台を獲得
  • ドゥカティがSBKで達成した1,000回の表彰台は、どのメーカーのどのモーターサイクルも到達したことのない偉業
  • 35年間、6世代にわたって進化を遂げてきたドゥカティ・スーパーバイクは、量産ベースのマシンでこの世界選手権に参戦。最近の10年間だけでも、パニガーレ・ファミリーは、チャズ・デイビス、マルコ・メランドリ、アルバロ・バウティスタ、スコット・レディング、マイケル・リナルディとともに70勝を挙げ、219回の表彰台を獲得

2022年7月30日、モスト(チェコ共和国)/ボルゴパニガーレ(イタリア、ボローニャ) - SBK第6戦チェコ・ラウンドのレース1で、パニガーレV4 Rを駆るアルバロ・バウティスタが優勝したことにより、ドゥカティはSBK通算1,000回の表彰台を獲得し、モーターサイクル・レースの歴史に長く残る偉業を達成しました。

スペイン人ライダーのバウティスタは、今シーズン7勝目を挙げ、ドゥカティにとって重要なマイルストーンを達成しました。スタート直後に3番手に浮上したバウティスタは、レース中盤までライバル2台を追走。10周目にこの2台をオーバーテイクすると、そのまま最後までリードを保ってチェッカーフラッグを受けました。この勝利により、Aruba.it Racing - Ducatiチームのバウティスタは、2位に29ポイントの差をつけてチャンピオンシップをリードしています。

SBKでドゥカティが達成した1,000回の表彰台は、どのメーカーのどのモーターサイクルも到達したことのない偉業です。イタリアのボルゴパニガーレを拠点とするドゥカティは、量産ベースのマシンでこの世界選手権を戦い、6世代にわたるスーパースポーツ・バイクで常に主役の座を演じ、通算383回の勝利を収めてSBKの歴史にその名を刻んできました。

ドゥカティは、SBKが初開催された1988年からこの世界選手権に参戦し、ドニントンで開催された初戦で、851を駆るマルコ・ルッキネリが勝利を収めています。わずか2年後の1990年、レイモン・ロッシュが851で参戦し、ドゥカティ初のSBKタイトルを獲得しました。その後の2年間では、ダグ・ポーレンが圧倒的な強さを発揮し、ドゥカティはすぐにSBKのスターティング・グリッドで最も人気の高いバイクとなりました。ドゥカティは、1991年、1992年、1993年には、3年連続でマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得しました。1994年シーズンは、カール・フォガティの時代の幕開けとなりました。ドゥカティ916を駆るフォガティは、2年連続でタイトルを獲得しました。1996年には、トロイ・コーサーがドゥカティに6度目のタイトルをもたらしました。1998年と1999年には、“フォギー”の愛称で親しまれたカール・フォガティがさらに2つのタイトルを獲得し、ドゥカティ・スーパーバイクで史上もっとも多くの勝利を収めたライダーになりました。

2000年には、もう一人のドゥカティ・レジェンド、トロイ・ベイリスにバトンが渡されました。トロイ・ベイリスは、3世代のドゥカティ・スーパーバイク(998、999、1098)を駆り、3回のタイトル(2001年、2006年、2008年)を獲得しました。その間、ニール・ホジソンとジェームス・トスランドがさらに2つのライダーズ・タイトルを獲得し(2003年、2004年)、2011年にはカルロス・チェカが1198でチャンピオンシップ・タイトルを獲得しました。

しかし、それ以外にも、ジャンカルロ・ファラッパ、ファブリツィオ・ピロバーノ、ピエールフランチェスコ・キリ、ベン・ボストロム、ルベン・チャウス、レジス・ラコーニ、芳賀紀行、チャズ・デイビス、マルコ・メランドリ、スコット・レディングなど、数多くのライダーがドゥカティ・スーパーバイクの伝説に貢献し、勝利と表彰台を獲得して、ドゥカティ・ファンの心に決して消えることのない記憶を刻んでいます。

最新の勝利は、パニガーレV4で達成されました。このモーターサイクルは、ドゥカティのブランド・バリューであり、日々の事業活動の基盤となっている「スタイル、洗練、パフォーマンス」の原則をもっとも現代的かつ明確に具現化したモーターサイクルです。ドゥカティは、歴代モデルの851、916、999、1098ファミリー、そしてパニガーレを経て、レースの歴史に新たなページを書き加えてきました。

6世代にわたるドゥカティ・スーパーバイクの歴史

851とデスモクワトロの誕生

ドゥカティ・スーパーバイクの歴史は、スーパーバイク世界選手権の歴史でもあります。851は、ドゥカティの技術者であったマッシモ・ボルディとジャンルイジ・メンゴリが開発した748ccのレーシング・プロトタイプとして誕生し、L型2気筒エンジン、デスモドロミック・バルブ駆動システム、トレリスフレームといった、ドゥカティならではの技術的基盤をベースにして、新開発されたデスモクワトロ4バルブ・エンジンを搭載していました。排気量は888ccにボアアップされました。このモデルは、新しい排気量基準に適応して、1992年にその名称を変更しました。多くのモーターサイクル・ファンにとって、現代のドゥカティを代表するモデルが851でした。このバイクは、高度なテクノロジーを搭載し、ドゥカティ・レッドを纏い、極めて高性能でした。

851/888ファミリーは、合計で3回のライダーズ・タイトル(1990年のレイモンド・ロッシュ、1991年と1992年のダグ・ポーレン)と3回のマニュファクチャラーズ・タイトル(1991年、1992年、1993年)を獲得しました。1990年から1994年にかけて、ドゥカティは、78回の勝利と170回の表彰台を獲得しました。

916とフォガティの伝説

1993年10月、ドゥカティが916を発表したとき、誰もが言葉を失いました。このモーターサイクルは、これまでのバイクとは一線を画していました。916は無駄がなく、機敏で、力強く、「マエストロ」としても知られるマッシモ・タンブリーニによって描かれた美しいラインと最先端のソリューションを備えていました。このモデルは、「形状は機能に従う」というコンセプトに基づき、美しさと機能性を融合したモーターサイクルで、その伝統は今日のパニガーレにも受け継がれています。完全に改良されたシャシーと高度に進化したデスモクワトロ2気筒エンジンを搭載した916は、レースで戦うためのすべての方程式を備えていました。

その後、年月の経過とともに、排気量が拡大されました。1998年、ドゥカティは996を発売し、さらに2001年には996 Rと名付けられた画期的なモデルがデビューしました。このモデルは、現在のドゥカティ2気筒モデルにも採用されている、998ccのテスタストレッタ・エンジンを搭載した初めてのモーターサイクルとなりました。2002年、996は998へと進化しました。最高出力は、916の114psから、998の標準バージョンでは123psへと引き上げられました。

ドゥカティ916は、ドゥカティによるSBKの歴史の中でもっとも成功したモデルであり、1994年から2003年の間に、916、996、998の3つのバージョンで8回の世界タイトル(“キング”カール・フォガティの4回を含む)を獲得し、122のレースで優勝し、合計311回の表彰台を獲得しました。その後登場した996 Rは、ドゥカティ・スーパーバイクの偉大なレジェンド、トロイ・ベイリスのキャリアが始まったモデルです。

999の時代

999は2003年に登場しました。このモデルは、画期的なライン、テスタストレッタの進化型エンジン、大幅に改良されたシャシーを備えていました。ドゥカティ・スーパーバイクは片持ち式スイングアームを廃止し、上下2連のヘッドライトを採用。シート下のエグゾースト・パイプはシングルタイプのサイレンサーに統合されました。999は、シーズンあたりの勝利数の比率がもっとも高いドゥカティ・スーパーバイクです。わずか5年間で(1098が登場したのは2008年)、ニール・ホジソン、ジェームス・トスランド、トロイ・ベイリスと共に63回の勝利と3回のワールド タイトルを獲得しました。ライダーが表彰台に登壇した回数は、163回に上りました。

1098、1198、そしてカルロス・チェカによるタイトルの獲得

2008年、レギュレーションにより、2気筒エンジンが1,000ccの排気量制限を超えることが許可されました。ドゥカティは、2006年11月に、998のスタイルとテクニカル・エレメントの多くを継承した1098を既に発表していました。上下に分割されたヘッドライト・ユニットは再び水平タイプに変更され、片持ち式スイングアームと分割式エグゾースト・サイレンサーが再び採用されました。

2気筒エンジンの最高出力160psに強化され、MotoGPマシンから派生した様々なテクニカル・ソリューション(特に熱処理の面)が採用され、名称もテスタストレッタ・エボルツィオーネに変更されました。

1198は2009年に登場し、よりパワフル(170ps)になりましたが、最大の特徴は、ドゥカティ初の電子制御式トラクション・コントロールを搭載していたことです。排気量は1,198ccに拡大され、2011年にはスペイン人ライダーのカルロス・チェカがタイトルを獲得しました。

1098と1198は、2008年から2012年の間に、52回の勝利を含む139回の表彰台を獲得しました。

パニガーレ・ファミリー

2012年には、テクノロジー、スタイル、パフォーマンスの面で新たなベンチマークを確立したパニガーレ・ファミリーが誕生しました。パニガーレの開発において、ドゥカティは、チェーン/ギアを組み合わせたデスモドロミック・バルブ駆動システムを備えた90°V型2気筒スーパークアドロ・エンジン、ライド・バイ・ワイヤ・エンジン・マネージメント・システム、オーリンズ製電子制御式サスペンションに加え、エアボックスを統合したアルミニウム製モノコック・フレームを導入しました。そのスタイルは、伝統的なドゥカティのデザインを現代的に解釈したもので、芸術作品の域へと達していました。パニガーレ・ファミリーは、その美しいスタイルにより、2014年に歴史と権威あるデザイン賞である「コンパッソ・ドーロ」を受賞しています。

2015年に1299へと進化を遂げたパニガーレは、「R」バージョンにも変更が加えられ、スーパーバイク世界選手権の排気量制限に適合したレーシング・モデルのパニガーレ1199 Rが登場しました。

2017年末、史上もっとも革新的なパニガーレが発表されました。最初にデスモセディチ・ストラダーレV4エンジンが公開され、その後、このエンジンを搭載したドゥカティ・パニガーレV4が発表されました。この90°V型4気筒エンジンは、MotoGPから派生したツインパルス・タイミング、カウンター・ロテーティング(逆回転)クランクシャフトを備え、214psの最高出力と13kgmの最大トルクを発生し、1.1ps/kgのパワーウェイト・レシオを誇りました。

シャシーには、エンジンを構造部材として使用するフロントフレームが引き続き採用されました。2020年モデルでは、ドゥカティが2016年のMotoGPで初めて導入したウイングレットをベースにした空力パッケージが登場し、2021年バージョンでは電子制御システムがさらに洗練されました。2022年モデルは、電子制御システムに再びアップデートが施され、より優れたシャシー、パニガーレV4 Rから流用したギアレシオ、より効率的な空力パッケージにより、パフォーマンスが再び引き上げられました。

パニガーレ・ファミリーは、最近10年間のレースで合計219回の表彰台を獲得し、70回の勝利を収めています。

歴史

  • 35年間に及ぶスーパーバイク世界選手権への参戦で、ドゥカティは通算383回の優勝と1,000回の表彰台を獲得しました。
  • ドゥカティはSBKのライダーズ・タイトル14回、マニュファクチャラーズ・タイトルを17回獲得しています。

モデル ライダー

1990 851 レイモンド ロッシュ

1991 888 ダグ・ポーレン

1992 888 ダグ・ポーレン

1994 916 カール・フォガティ

1995 916 カール・フォガティ

1996 916 トロイ・コーサー

1998 916 カール・フォガティ

1999 996 カール・フォガティ

2001 996R トロイ・ベイリス

2003 999F03 ニール・ホジソン

2004 999F04 ジェームス・トスランド

2006 999F06 トロイ・ベイリス

2008 1098F08 トロイ・ベイリス

2011 1198F11 カルロス・チェカ 

  • ドゥカティ・スーパーバイクでもっとも多くの勝利を収めたライダーは、カール・フォガティ(55勝)、トロイ・ベイリス(52勝)、チャズ・デイビス(28勝)です。
  • もっとも多くの勝利を獲得したバイクは、916/996/998で120勝、続いて851/888の78勝、パニガーレ/パニガーレV4の70勝です。