カタールで行われた2021 MotoGPプレシーズンテストの最終日は、高温、強風、コース上の砂のため、ドゥカティ・レノボ・チームはピットに留まることを選択し、両ライダーはテストを予定よりも繰り上げて終了した。ジャック・ミラーとフランチェスコ・バニャイアは、悪化する気象条件を予想して、昨日それぞれの作業プログラムをすでに完了していた。
最終日のテストが終了して、テスト全体の総合順位が確定し、ミラーは、水曜日の夜にデスモセディチGP21で記録したラップタイプによって総合1番手となった。その際、オーストラリア人ライダーのミラーは、非公式ながら、マルク・マルケス(ホンダ)が2019年に出したコースレコードを0.197秒上回るタイムを計測した。さらに、この記録に加え、今回のカタールテストでは、もう1台のドゥカティ・マシンが素晴らしい結果を達成した。プラマック・レーシング・チームからドゥカティ・デスモセディチGPを駆って参戦しているヨハン・ザルコは、昨日のセッションで、MotoGP新記録となる357.6km/hの最高速度を記録した。
“ペッコ”バニャイアは、昨日の「タイムアタック」で1分53秒444を記録し、総合5番手となった。イタリア・トリノ出身のバニャイアは、2回のテストでチームが行った作業に満足していることを表明し、カタールで開催される開幕戦では、さらに速く走ることを目指している。
ドゥカティ・レノボ・チームは、ロサイル・インターナショナル・サーキットで2週間後に開幕する2021 MotoGP世界選手権に向けて、すべての準備が整っている。両ライダーは、3月26日~28日に行われるシーズン開幕戦のカタールGPに参戦する。さらに、翌週の4月1日~4日には、同じサーキットで第2戦のドーハGPが開催される。
ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム #43) 1番手:1分53秒183
「カタールでの2回のテストセッションには満足している。チームはこの5日間で素晴らしい仕事をしてくれた。そのおかげで、このサーキットで開催される2つのグランプリで戦う準備を整えることができた。昨日のレース・シミュレーションもうまくいき、さまざまなテストからポジティブなフィードバックを得ることができた。フロントエンドのフィーリングは素晴らしく、サーキットを限界まで攻めることができる。スピードも悪くない。ワクワクして、レースが待ちきれない」
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム #63) 5番手:1分53秒444
「今回のテストでは、素晴らしい仕事をすることができた。テストの初日から、マシンのフィーリングは良好で、シーズン開幕戦に向けて準備が整ったと感じている。残念ながら、暑さと強風、サーキットの砂のために、今日はコースに出ることができなかったが、幸いなことに、昨日すべてのプログラムを終了することができた。今必要なことは、レースに集中することだけだ。昨日のレース・シミュレーションのペースは良かったが、タイムアタックでは、もっと速いタイムを出せたと思う。予選で良いタイムを出して、1列目か2列目からスタートすることが非常に重要だ」
ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー)
「この5日間のテストで行った作業には満足している。テストすべき項目はたくさんあったが、2人のライダーのおかげで、重要な最初のセットアップをうまくまとめて、開幕戦に向けての道筋をつけることができた。今回テストしたコンポーネントの中には、以前のものとは異なる新しいフェアリングも含まれていた。過去数日間に収集したデータを分析して、それを実戦で装着するかどうかを決定するつもりだ。2人のライダーともに良くやってくれた。ジャックは、昨シーズンの終わりに表明していた高いモチベーションを持って新しいシーズンをスタートした。ペッコも強い決意とともに今シーズンに臨んでいる。私たちは自信を持ってシーズンを開始する準備ができている」