2020 スーパーバイク世界選手権(SBK)の最終戦となる第8戦のレース1が、10月17日にポルトガルのエストリル・サーキットで開催された。Aruba.it Racing - Ducatiチームのチャズ・デイビスは、2位でフィニッシュして表彰台を獲得した。最後尾からスタートしたスコット・レディングは、6周目にリタイアを余儀なくされたが、明日のレースを残して、ジョナサン・レイ(カワサキ)に次ぐ年間ランキング2位を確定した。
土曜日に開催されたスーパーポールでは、最初はレディング、次にレイがアタック序盤で次々とクラッシュするという予期せぬ展開となった。すべてのフリープラクティス・セッションでトップタイムを記録していたレディングは、スーパーポールの最初のラップでハイサイド転倒。マシンをピットに戻すために大きなタイムロスが発生したにもかかわらず、チーム・メカニックの奇跡的な作業により、レディングは再びサーキットに戻ることに成功する。しかし、残念ながら、わずか数秒の差で規定時間内にフィニッシュラインを越えることができず、最後尾からのスタートとなった。
4番グリッドからスタートしたデイビスは、いくつかポジションを落としたものの、素晴らしい走りで巻き返しに成功。コンスタントに速いペースで走行し、4周目にはマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)をオーバーテイクして5位に浮上した。その後も鋭い走りを見せて、ガレット・ガーロフ(ヤマハ)とのギャップを詰め、さらに12周目にはレイもオーバーテイクして2位でチェッカーフラッグを受けた。
レディングはハードにプッシュして、最初の2周でポジションを8つ上げることに成功。6周目には11番手まで浮上したが、その後、メカニカル・トラブルでリタイアとなった。
Aruba.it Racing - Ducatiチームは、日曜日に開催されるスーパーポール・レースとレース2で、2020年シーズンのコンストラクターズ・タイトルを目指す。ドゥカティは同タイトルで現在2位につけている(首位のカワサキとの差はわずか19ポイント)。
チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiチーム #7) 2位
「予選では今シーズン最高のグリッドを確保したが、残念ながら良いスタートを切ることができなかった。かなりポジションを落としてしまったが、最初からマシンのフィーリングは非常に良かった。その後は巻き返しを図り、年間タイトルで3位を確定させるためにファン・デル・マーク(ヤマハ)を追いかけた。彼がクラッシュした後は、表彰台を目指してさらにプッシュして、2位という結果を出すことができた。過去2か月間、素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝したい。彼らのおかげで、マシンの戦闘力は大幅に高まった。明日は、プレッシャーをあまり感じることなくレースをすることができるので、再び良い結果を出したい」
スコット・レディング(Aruba.it Racing - Ducatiチーム #45) リタイア
「週末のはじめにコメントしたように、今日はすべてを出し切るつもりでいた。すべてのセッションで最速タイムを出し、マシンのフィーリングは素晴らしかった。しかし、残念ながらスーパーポールでクラッシュしてしまった。非常に不思議なクラッシュだったので、その原因を突き止める必要がある。マシンがピットに戻るまでに、多くの時間がかかってしまったのが残念だった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたが、わずか数秒の差で、タイムアタックの時間が終了してしまった。レースではメカニカル・トラブルが発生してリタイアとなったが、最後尾から追い上げて結果を出すのは本当に大変なことだ。ジョナサンの健闘を称えたい。尊敬に値する素晴らしいバトルだった。また、来シーズンに一からやり直すつもりだ。それが出来ると確信している。僕は決してあきらめない」