「フル」パワーモードでは、1速ギアを除いて電子制御システムが介入しないため、エンジンの潜在能力を最大限に引き出すことができます。「フル」パワーモードは、デフォルト設定ではどのライディングモードにも関連付けられていないため、ライダーが手動で選択する必要があります。
Sバージョンには、第2世代のオーリンス製Smart EC(Electronic Control)システムをベースにした、電子制御式イベントベース・サスペンションが装備されています。
さらに詳しくストリートファイターV4には、数多くの高度なエンジニアリングとテクノロジーが投入されています。「Fight Formula」コンセプトでは、美しいライン、圧倒的なパワー、最先端のテクノロジーとコンポーネントがバランス良く組み合わされています。
パニガーレV4ファミリーに導入されたアップデートが反映されたストリートファイターV4の最新世代のエレクトロニクス・パッケージは、空間におけるモーターサイクルのロール角、ヨー、ピッチをリアルタイムに検出できる6軸慣性プラットフォーム(6D IMU - 慣性測定ユニット)に基づいています。
新型ストリートファイターは、ドゥカティ・パニガーレV4およびV4 S用に開発された新しいパワーモード・ロジックを採用していますが、デスモセディチ・ストラダーレ・エンジンには、専用のキャリブレーションが施されています
パワーモードは、「フル」、「ハイ」、「ミディアム」、「ロー」の4つのモードから構成されています。
「フル」と「ロー」モードが新たに設定された一方で、「ハイ」と「ミディアム」モードでは、新しいストラテジーが採用されています。
「フル」パワーモードでは、1速ギアを除いて電子制御システムが介入しないため、エンジンの潜在能力を最大限に引き出すことができます。「フル」パワーモードは、デフォルト設定ではどのライディングモードにも関連付けられていないため、ライダーが手動で選択する必要があります。
「ミディアム」および「ハイ」パワーモードでは、6つのギアのそれぞれに専用のキャリブレーションを備えた新しいライド・バイ・ワイヤ・マップ管理システムが開発され、スロットルを開いた際に、常に最適な推進力を得ることができます。ストリートファイターV4専用のキャリブレーションにより、ライダーが必要とするトルク値と実際に提供されるトルク値の相関関係がより自然なものになっています。
その一方で、「ロー」パワーモードは、公道およびグリップの低い路面でライディングするために考案されたもので、エンジンの最高出力を160psに制限して、非常に扱いやすいスロットル・レスポンスを特徴としています。
ストリートファイターV4は、パニガーレV4と同じ高度なフルTFT 5インチ・カラーディスプレイを採用し、メーターパネル右側には、円形のバーチャル・タコメーターが表示されます。
メーターパネルのグラフィックは全面的に改定され、情報がよりシンプルで分かりやすくなり、ライダーがさまざまなパラメーターをより容易に調整できるようになっています。
さらに、ストリートファイターV4をサーキットで走らせたいライダーのために、メーターパネルには「トラックEVO」と呼ばれるディスプレイ・モードが追加されています。このモードを選択すると、公道を走る場合でも、レーシーな雰囲気のディスプレイを楽しむことができます。
Sバージョンには、第2世代のオーリンス製Smart EC(Electronic Control)システムをベースにした、電子制御式イベントベース・サスペンションが装備されています。
さらに詳しくドゥカティ・パフォーマンス・アクセサリーとして利用可能なDLT GPSを使用すると、サーキットでのラップタイムを自動的に検出して保存し、フィニッシュラインを通過するたびにモーターサイクルのメーターパネルに直接表示することができます。
さらに詳しくドゥカティ・データ・アナライザー+ GPS(DDA+GPS)を使用すると、バイクとライダーのパフォーマンスを評価し、特定のデータをグラフィカルに表示することができます。
さらに詳しくストリートファイターV4は、ドゥカティ・マルチメディア・システム(DMS)によって、利便性を高めることができます。DMSを装備すると、スマートフォンとモーターサイクルを接続して、着信に応答したり、音楽を聴いたり、SMSメッセージを受信することができます。
さらに詳しくエレクトロニクス・パッケージには、あらゆるライディング・フェーズを管理するコントロール機能が含まれています。その一部は始動、加速、ブレーキを担当し、他はトラクションを監視し、その他はコーナリングおよびコーナー出口のフェーズに関連しています。
このシステムは3段階に調整可能で、ライダーはクラッチ操作に集中するだけで、素早いスタートを切ることができます。
さらに詳しくストリートファイターV4には、最新バージョンのドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)EVOも搭載されています。このシステムは、ボッシュ製6D IMUからの情報を使用してウィリーを制御し、簡単かつ安全に最大の加速を実現します。
さらに詳しく新しいドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)EVO 2の制御ストラテジーは、MotoGPマシンのドゥカティ・デスモセディチGPからフィードバックされたもので、パニガーレV4 RとV4 R SBKにも採用されています。
さらに詳しく6軸慣性測定ユニット(IMU)との連携、ホイールスピンとリーンアングルに基づいた介入制御に加え、このソフトウェアは、新たに導入された“予測的に”作動する制御ストラテジーにより、コーナー出口でのパワーコントロールが飛躍的に向上しています。このシステムは、リアスピンが発生した瞬間の値だけでなく、その状態変化にも対応することで、グリップの喪失をより早く検知し、スリップのピークを減らし、より迅速かつ安定した介入を実現します。それにより、グリップレベルが最適でない路面であっても、コーナーから立ち上がる際のモーターサイクルの安定性と加速が向上し、タイムアタックと長時間のサーキット走行の両方で、パフォーマンスが向上します。
パニガーレV4用に開発されたアップ/ダウン機能を備えたDQS EVO 2は、バンク角に関する情報を使用して、コーナリング時のシフトチェンジでモーターサイクルの安定性を最大化します。
さらに詳しくアップ/ダウン機能を備えたDQS EVOは、瞬時のシフトを実現するだけでなく、クラッチを使用せずにシフトダウンすることが可能なため、ライダーはブレーキングに集中することができます。このシステムでは、チェンジレバーに統合された双方向マイクロスイッチが装備され、各ギアシフト操作に対応したシフトチェンジ・シグナルを、デスモセディチ・ストラダーレ・コントロール・ユニットに送信します。システムは、シフトとシフトダウンで個別に作動し、シフトアップ時には、点火時期を進角させて燃料噴射量を調整する一方で、シフトダウン時には、フル・ライド・バイ・ワイヤ・システムとの統合により、スロットル・バルブの開閉も制御します。
エンジン・ブレーキ・コントロール(EBC)システムは、極限状態のターンインで、リアタイヤに作用する力をバランスさせることで、マシンの安定性を確保してライダーをサポートします。
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リーンアングルに合わせて最適化されたストリートファイターV4 2023のEBC EVO 2は、アグレッシブなブレーキング時に、スロットル・バタフライの開度、選択されたギア、デスモセディチ・スタラダーレのクランクシャフトの減速度を監視し、スロットル開度を調整して、タイヤに加わるトルクをバランスさせます。EBC EVOの作動も、ライディングモードの選択を介して3段階に調整することができます。
このソフトウェアは、リアの負荷に応じてエンジン・ブレーキの強さを最適化するために開発された新しいストラテジーに従って、選択可能な3つのレベルのそれぞれにおいて、異なるギア毎にキャリブレーションが設定されています。
ブレーキの初期段階で、リアホイールにほとんど負荷がかかっていない場合、EBC EVO 2は、エンジン・ブレーキの効きを少なくすることで、コーナー頂点へのアプローチを改善します。その一方で、コーナー頂点に達してからは、エンジン・ブレーキの効きを最大にしてモーターサイクルを減速し、狙ったラインをトレースできるようにします。この変更により、すべての走行条件で、よりバランスの取れたエンジン・ブレーキ制御が行われるようになり、ハードブレーキング時における後輪のロックも減少します。
ストリートファイターV4のABSシステムはコーナリング機能を備えており(モーターサイクルが傾いていてもABSが作動)、パニガーレV4と同じ介入ロジックと制御を特徴としています。
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コーナリングABS EVOは、3つの異なるレベルに設定することが可能で、たとえグリップレベルが低くても、サーキットおよび公道のあらゆる状況でライダーのニーズを満たします。
レベル3は、公道やグリップの低い路面に適しており、あらゆる状況で安全で安定したブレーキングを保証し、急ブレーキをかけた際に、後輪の浮き上がりを常に制御します。レベル2および1は、制動力を優先し、グリップの高い路面またはサーキットでの使用を意図しています。
一般のライダーがサーキット走行を楽しむ場合は、レベル2を使用することをお勧めします。システムは、フロントとリアの両方のブレーキシステムを制御して、“コーナリング”機能をオンの状態に保ち、リフトアップ制御を無効にして、よりスポーティなブレーキングを可能にします。レベル2を選択すると、「スライド・バイ・ブレーキ」機能が有効になり、コーナーで安全にドリフト走行を行うことが可能になります。
レベル1は、エキスパート・ライダーがサーキットで使用することを想定しているため、どのライディングモードでもデフォルト設定にはなっていません。このレベルでは、レース仕様のABSが前輪のみに介入します。また、パフォーマンスを最大化するため、“コーナリング”機能とリフトアップ防止機能の両方が無効になります。
6D IMUの採用によって、ドゥカティ・スライド・コントロール(DSC)の導入が可能になりました。ドゥカティ・コルセと共同開発したこのシステムは、ドゥカティ・トラクション・コントロールEVO(DTC EVO)に追加されています。
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このシステムは、スライド角に応じてデスモセディチ・ストラダーレ・エンジンのトルクを制御することにより、ライダーをサポートします。この機能の目的は、制御が困難になりそうなスライド角度を防止することによって、コーナー出口におけるパフォーマンスを向上させることです。DSCは、6D IMUの機能によって実現しています。6D IMUは、モーターサイクルの挙動に関する重要な情報(バンク角、加速度など)をビークル・ダイナミクス・コントロール・ユニットに提供します。
DTC EVOと同様、DSCはスロットル・バルブの開度、進角の減少、および噴射カットに介入することにより、トルクを抑制します。迅速な介入を必要としないすべての状況において、スロットル・バタフライを使用して理想的な燃焼パラメーターを維持することにより、より滑らかなデスモセディチ・ストラダーレのエンジン・レスポンスとコントロール性を実現しています。
DSCは2つのレベルに調整可能です。システムをレベル1からレベル2に変更すると、コントロールが難しいスライド角度を、より簡単に制御できるようになります。DSCの介入レベルはメニューから変更できます。ライダーは、このメニューを使用して、DTC EVOおよびDWC EVOの設定を調整することもできます。さらに、左側スイッチギアに設置された専用のDSCコントロール・スイッチを使用して、設定を変更することもできます。DSCの設定値は常にメーターパネルに表示されます。