「フル」パワーモードでは、1速ギアを除いて電子制御システムが介入しないため、エンジンの潜在能力を最大限に引き出すことができます。
パニガーレV4 Rには、アップデートされたエンジン電子制御システム、新しいメーターパネル・グラフィック、新しいエンジン・ブレーキ・コントロールEVO 2ソフトウェアなど、レースでさらに速く走るためのすべてが含まれています。
アップデートされたエレクトロニクスをご覧ください。
パニガーレV4 R 2023をレースでさらに速く、より扱いやすくするために、パニガーレV4およびV4 Sですでに成功裏に搭載されている新しいパワーモード・ロジックが採用されました。このパワーモードを採用するにあたり、デスモセディチ・ストラダーレ Rエンジン専用のキャリブレーションも行われました。パワーモードは、「フル」、「ハイ」、「ミディアム」、「ロー」の4つのモードから構成されています。
「フル」パワーモードでは、1速ギアを除いて電子制御システムが介入しないため、エンジンの潜在能力を最大限に引き出すことができます。
「ミディアム」および「ハイ」パワーモードでは、6つのギアのそれぞれに専用のキャリブレーションを備えた新しいライド・バイ・ワイヤ・マップ管理システムが開発され、スロットルを開いた際に、常に最適な推進力を得ることができます。
その一方で、「ロー」パワーモードは、公道およびグリップの低い路面でライディングするために考案されたもので、エンジンの最高出力を160psに制限して、非常に扱いやすいスロットル・レスポンスを特徴としています。
サーキット走行時に必要な情報を瞬時に確認できるようにするため、メーターパネルのグラフィックが変更されました。これは、スーパーバイク世界選手権(SBK)のマシンと同様、ギアシフト・インジケーターのLEDをメーターパネル外側に移動することにより、反応時間が短縮され、ライダーに提供されるフィードバックの質が向上しています。
「トラックEVO」レイアウトでは、水平基調のタコメーターが、もっとも目立つ高い位置に配置され、ギアポジション・インジケーターがディスプレイ中央に表示されます。右側の領域には、異なる色の4つのセクターがあり、それぞれが電子制御システム(DTC、DWC、DSC、EBC)に対応しています。これらのセクターは、電子制御システムが特定のパラメーターで作動しているときに個別に点灯し、ライダーがどのインジケーターがアクティブになっているのかを識別するのに必要な時間点灯し続けます。このシグナルモードにより、ライダーは、どのシステムが実際に作動したのかをより良く理解することが可能になり、電子制御システムをタイムリーかつ、より詳細にカスタマイズして、パフォーマンスの向上につなげることができます。
パニガーレ V4 Rに採用された新しいエンジン・ブレーキ・コントロールEVO 2ソフトウェアは、安定性、精度、ブレーキング時およびコーナー進入時の旋回性を改善し、各サーキットの特性に合った最適なエレクトロニクス・セットアップを定義できるようにします。
このソフトウェアは、選択可能な3つのレベルのそれぞれにおいて、異なるギアごとのキャリブレーションが設定されています。ブレーキの初期段階で、リアホイールにほとんど負荷がかかっていない場合、EBC EVO 2は、エンジン・ブレーキの効きを少なくすることで、コーナー頂点へのアプローチを改善します。その一方で、コーナー頂点に達してからは、エンジン・ブレーキの効きを最大にしてモーターサイクルを減速し、狙ったラインをトレースできるようにします。
この変更により、ハードブレーキング時における後輪のロックも減少します。
*ユーロ-5規制対応国のみ
この新しいストラテジーにより、あらゆるスロットル開度でよりスムーズなシフトが可能になっています。
部分的なスロットル開度におけるシフトでは、点火をカットするのではなく、燃料カットおよび噴射量削減の2つの方法で対処することで、公道走行におけるスムーズな作動を実現しています。
サーキット走行におけるフルスロットル状態でのシフトでは、エンジントルクの回復フェーズを改善したことにより、DQSの作動がより洗練されたものとなり、バイクの安定性が向上し、より一貫した作動が行われることにより、ラップタイムも短縮されます。